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エトブン社 絵草紙 <<espresso ETOBUNSHA>>

エトブン社です。絵と文を描いています。


by etobunsha
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「黄色いマンション黒い猫」小泉今日子著を読んだ。

読みかけ、積ん読の本に囲まれているワタシですが、
これは一気に読み切りました「黄色いマンション 黒い猫」。
キョンキョンのエッセイを読むのはパンダのアンアン以来かな。
原宿、青春、今だから言えること。
たのしげな文章なのに、なんだろ、行間から切なさが
ポロポロぽろぽろとこぼれ落ちて来て
拾ってるうちに読了してしまった。

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「猫のしずく」
ネコの本ではないけど、こんな絵が見える本でした。


キョンキョンはずっと憧れのお姉さん。
彼女の青春は地方都市の子どもだったワタシが
コワイけどのぞき見たかったトーキョーそのもの。
スカウト、クレープ、タケノコ族。

アイドル時代は(今もアイドルだけど)カワイイお手本。
大好きな映画「快盗ルビイ」のころからは
見た目や歌だけじゃなくて、振る舞いそのものが
真似したい(けどできない)存在になっていきました。
ヘアスタイルを変えるときは
「キョンキョン今どんな髪だろ?」って考えたりして。

(関係ないけど、もし今快盗ルビイをリメイクするなら
真田広之役を坂口健太郎くんにお願いしたい。ルビイは小松菜奈かなー)


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AIR Doの中でも気分は原宿。


本の中で40代後半から50歳を迎えるキョンキョン。
あいかわらずカワイイし、楽しく暮らしているんだろうなって
想像できる。でも、エッセイの出来事をたどると
なんだかとっても泣けてくる。
同時代の郷愁か。少し先ゆく大人への共感か。

そう、あの日、ワタシは入学式で、
センセーショナルな女性アイドルの訃報にただただ
驚いていたっけ… なんて、
子どもから大人、ほんとうの大人、変わりゆく自分と、いろんな出会い、
いろんな別れ。キョンキョンのエピソードなのに自分の記憶が
引き出されて、なんとなくホロリ。いかんいかん、ここは機内。

10代は冷めているのに夢見がちで、20代はとにかくケンケン生意気、
30代前半でわかった気になって、30代の終わりになって
ようやく見えてきたような。
と思ったら、いろんな焦りと停滞と加速と
人生の転機が訪れて、
これで落ち着くのかと思ったら経験値上げてくれるような出来事が
陰陽のようにやってくるのね。大小関わらず、ところかまわず。
これからどんな風に50代に向かうのか。
きっと覚悟も準備もできないから、その都度がんばるのだろうな。

心の整理と口先は器用な方だと思ってはいても
いまだに嬉しさや悲しみの涙を流すことができないようで
(紙や画面を通すと涙腺ゆるゆるだが、目の前の出来事では泣けない)、
なにやら知らずに溜め込んでしまってるのかもしれない。
読み進むうち、気づいたら彼女の行間から自分のことを
見つめちゃってる。

さいわいまわりに先輩たちがいる。子どもはいないけど友達はいる。
きっとこれからも、キョンキョンはどうしてるかな?と思いながら
女友達とあーだこーだ言いながら過ごすのかな。
歳を重ねつつ、お腹まわりだけじゃなく、いろいろ成長できると
いいんだけど。

エッセイを読んでいたはずが、思わぬ今までの自分と
対面することになってしまった一冊でした。
あの頃の「うすぎたねえシンデレラ」たちは
みんなどんな大人になってるのかな。

そうそう、快盗ルビイの監督でもある和田誠さんが
この本の装丁。それもこの本を買ったきっかけです。
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by etobunsha | 2016-06-16 16:11 | 絵草紙 | Comments(0)